■彼女の部屋
朋章「ねぇねぇ、聞いて聞いて! 今度インターンシップに参加することにしたんだけどね?」
(SE)彼女「どこの会社にしたの?」
朋章「それが……君の会社に決まりました~!」
(SE)彼女「えっ……。」と、ドン引き。
朋章「なんでひいてるの? 喜んでくれると思ったのに! ヒドイ!」
(SE)彼女「だってヘンな事しそうだし……。」
朋章「ヘンな事って何? ちゃんと働くよ! そりゃ、会社で働いてる写真をた~っくさん撮りたいな~! 位は思ってるけど! 別にそれくらい普通でしょ!?」
(SE)彼女「普通なわけないでしょ!」
朋章「(不満げに)え~……。」
(SE)彼女「どこの部署に決まったの?」
朋章「システム部に決まったよ。オレ理工学部だもん。」
朋章(M)『本当は同じ部署が良かったんだけど、ダメだったんだよね。』
(SE)自分の部署ではなかったので安心する彼女。
朋章「面接の時に自作のアプリ見せたんだけど、それがウケたみたい。」
彼女「アプリ?」
朋章「『いつでもいっしょ。』って自作アプリなんだけど。」
(SE)朋章、彼女にアプリを見せて説明する。
朋章「スケジューラーに画像や動画をリンクできるアルバムみたいな感じ。元々、君の写真を効率良く
保存できないかな~って思って作ったの。他の人に見せたくないから、あえて2人しか共有できないように
なってるんだ~。」
(SE)彼女の写真や動画がたくさん出てきて、「これ、会社で見せてないよね!?」と青ざめる。
朋章「面接では、友達の写真とか、適当なデータを入れたデモを見せたよ。」
(SE)それを聞いて一安心する彼女。
朋章(M)『会社では見せてないけど、社内をチェックして、彼女に気がありそうな男性社員がいたら、
片っ端から見せるもんね~。』
■会社(システム部)
(SE)朋章、会社でインターンの説明を受けている。
朋章(M)『な~んか説明ばっかで全然面白くないな~。もっとシステムいじらせてくれたっていいじゃん。……ダメって言われたけど、休憩時間になったら、彼女の部署、覗きにいっちゃお~っと。』
■会社(広報部)
朋章「広報部……。あった!」
(SE)彼女、仕事の打ち合わせをしている。入り口付近で仕事の様子を覗く朋章。
朋章(M)『仕事してる彼女も新鮮でいいなぁ……! いつもよりピシッとしてるっていうか……!
あ~写真撮りたい! でも、見つかったら、怒られるだけじゃ済まないだろうな……。
今は見てるだけで我慢しよう……。』
朋章(M)『つーか、打ち合わせしてるあの男! なれなれしいんだけど!
今、書類渡してるフリして彼女の手触っただろ! ぐぬぬ……っ』
(SE)彼女が朋章に気づく。
朋章「やばっ、気づかれた……!」
(SE)朋章、逃げようとするが、彼女に捕まり説教される。
朋章「来ちゃダメだって分かってたんだけど……。ごめんなさい。」
朋章(M)『う~、失敗した……。彼女に気づかれずに男性社員をけん制するつもりだったのに、
計画倒れ……。』
(SE)彼女、朋章の頭を軽くポンポン。「今日仕事終わったら部屋に行くから待ってて。」
朋章「仕事終わったらウチに来てくれるの!? 本当? 怒ってないの? やった~! ダイスキ!」
(SE)朋章、彼女に抱きつく。彼女、本気で朋章を殴る。
朋章「痛いっ! もう照れなくてもいいじゃん! だってオレらは付き合ってるんだから!」
(SE)彼女「照れてない! 早く部署戻りなさい!」と一喝。
朋章「じゃあ、今日は早く帰ってきてね~!」
(SE)朋章、まったく懲りてない様子でシステム部に戻る。
■朋章の部屋
朋章「会社で働くって大変だよね~。」
(SE)彼女「君はそれ以前に色々と問題があるけど……。」
朋章「オレ、会社で働くの向いてないから、アプリを作って食べていこうかなって。
実際、インターン先の課長が、会社の偉い人に話しをしてくれて、アプリ買い取ってくれるって。
ゆくゆくはちゃんと会社組織するつもり。」
(SE)彼女「その方がいいかも。応援するよ。」
朋章「応援してくれるの? じゃあ、会社作ったら社員になって! 仕事は、ず~っとオレの隣にいる事!」
(SE)彼女「絶対イヤ!」
朋章「なんでイヤなの!? そういうツンデレなとこもスキだけど! じゃあ、社員は諦めるから、
仕事が安定したらお嫁さんになって!」
(SE)彼女「考えておく」と、適当にいなされる。
朋章「考えておくって……。それってOKってことだよねっ!? やった~! オレ頑張って仕事して
お金持ちになるから!! 絶対幸せにするからね! っていうか、オレが今幸せすぎて死にそう!」